
サボテンの王様とも呼ばれる金鯱は、丈夫で育てやすいイメージがありますが、管理の方法を誤ると体色が変わってしまうことがあります。
鮮やかな緑色をしていた株がいつの間にか黄色っぽくなっていたり、黒みがかった部分が出てきたりするとどう対処すればいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
変色にはいくつかの異なる原因が絡んでいて色や状態によって対応が大きく変わってきます。
下部の黄色変色は成長の証である場合もある
金鯱の下部が黄色く変色しているのを見て慌てる方がいますが、小さいうちは全体が緑色でも大きくなるにつれて下部が黄色くなることがあり、これは自然な変化であるため気にする必要はありません。
こうした変色は病気や異常ではなく、株が成熟してきたサインとして捉えて問題ありません。
ただし、黄色への変色であっても場所や状態によっては注意が必要です。
株元に近い部分が茶色や黄色に変色している場合は、根腐れが原因で枯れかかっている可能性があります。
この部分を触るとぶにぶにと柔らかくなっているので、すぐに判断できます。
見た目だけでなく手で触れて確認することが、原因を見極める最初のステップとなります。
根腐れの主な原因と見分け方
根腐れは過剰な水やり、長年植え替えないことで排水性が悪くなった土、あるいは冬場の水やりが原因で起こります。
金鯱はもともと乾燥した環境に適応した植物ですから、日本の多湿な環境での管理には特に注意が求められます。
通気性や排水性の悪い土も根腐れの原因になります。
土の中に湿気や水分が溜まるとサボテンの根を腐らせてしまいます。
販売時に着色された化粧土に植わったサボテンをよく見かけますが、サボテンの生育を考えると購入後に植え替えた方がよいでしょう。
また、室内のカーテン越しでの管理は光線不足になるうえ水の乾きも遅くなるため、根腐れを起こす危険性があります。
日当たりが悪い場所に長期間置いていると土が乾かないまま次の水やりをしてしまいがちで、これが慢性的な過湿状態を生み出す原因になります。
黒っぽい変色は病気のサインである可能性が高い
黒色に変色した場合は、病気の可能性が高く、変色後すぐに状況を確認して何の病気なのかを判断する必要があります。
黒い変色には複数の病気が考えられるため、変色の場所や質感をよく観察して見極めることが大切です。
すす病について
すす病はカイガラムシやアブラムシが仲介する病気であり、トゲの根元が黒くなるのが特徴です。
屋外で栽培しているサボテンの方が病気にかかりやすいでしょう。
すす病が疑われる場合は、園芸店などで販売されているすす病の治療薬を使用し、虫がついている場合は殺虫剤で退治してください。
黒斑病について
サボテンの表面に不自然な黒い斑点が発生したときは黒斑病の可能性があります。
黒斑病は高温多湿状態が続いたり水はけの悪い土に植えているときに発症しやすく、水やりの頻度や時間帯を見直したり、水はけの悪い土や鉢底穴がない鉢に植えているときは植え替えを行って対処します。
黒くされ病について
根元が溶けたように黒く柔らかくなっているときは、黒くされ病の可能性があります。
黒くされ病は気孔や害虫の食害による傷口などから病原菌が侵入したことで発症します。
一度感染すると対処方法がなく、他のサボテンに伝染することもあるので処分するしかありません。
なお、金鯱の表面に傷がついた箇所に水がかかることで腐敗が始まることもあります。
植物は傷ができても自然に治す力を持っていますが、傷が治るまでの間は傷口に水をかけないような配慮が必要です。
黄色いサビのような変色も見逃せない
金鯱に黄色いサビのようなものがついている場合、病気や害虫被害の可能性が高い兆候です。
この状態を放置すると最悪の場合枯れてしまう可能性があります。
ウンカ病の特徴的な症状は、黄色や黒色の斑点や腐敗が植物の茎に広がることであり、対処が非常に難しい病気です。
このような症状が見られたときは、早め早めの判断が重要になります。
変色を発見したときのチェックポイント
変色に気づいたら、まず以下の点を順番に確認することで原因の絞り込みができます。
変色箇所が乾いていてハリがあり、緑の元気な部分と質感が変わらない場合は、紅葉や成熟などの生理現象による変色であることが多く、病気ではないのでそのまま生育が可能です。
一方で、変色部分に触れたとき柔らかかったり、ぶよぶよしていたりする場合は、根腐れや病気を疑う必要があります。
次に変色がどの位置にあるかを確認しましょう。
下部から広がっているのか、表面に点状に現れているのか、トゲの根元に集中しているのかによって、疑われる原因が変わってきます。
また、害虫がいないかどうかも必ずチェックしてください。
害虫が付かなければすす病になって黒く変色することはないため、日当たりと風通しの良い場所に置くことが予防にもなります。
変色への対処として、まずサボテンを土から掘り起こし、黒くなっていたり黄色くなっていたりする腐敗部分がなくなるまでカットします。
その後、腐敗防止のために断面を日光に当てて30分程度乾燥させ、さらに風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させてから新しい土に植え直します。
金鯱の変色は、色と触感と場所の三点をセットで観察することで、おおよその原因を判断することができます。
異変を感じたら早めに対処することが、長く元気な株を維持するための基本です。