
多肉植物の様子がなんだかおかしい?もしかしたら蒸れてしまった?多肉植物は高温多湿の環境で蒸れてしまうのか?そんな素朴な疑問についてご紹介いたします。
蒸れ・溶け・ジュレの症状
「ジュレ」または「ジュレる」という症状は、水分を多く含む多肉植物の葉が雑菌に侵されることで内部組織が壊れ、再起不能になる病気です。
フランス語でゼリーを意味する「gelee(ジュレ)」という言葉から名付けられたように、見た目も触感もゼリーのように柔らかくなるのが特徴です。
ジュレた葉は健康な葉とは異なり、黄色く変色し、透明度が増して向こう側が透けて見えるようになります。
この症状の原因は高温多湿環境であり、「多肉植物が蒸れた」という表現が現象としては一番的確と言えます。
暑さが主な原因となり、組織が崩壊してトロトロになるため「溶ける」とも表現されます。
重症になると葉が真っ黒に変色することもあります。
寒さで凍結した場合も似たような症状が見られますが、そのような場合には「ジュレた」とは呼ばれません。
ジュレを発見したらすぐにすべきこと
ジュレを発見した場合には、進行度合いに応じた対応が必要です。
まず、ジュレが葉の一部だけで数も限られている場合は、ジュレた葉をすぐに取り除きましょう。
ジュレた部分は通常の葉よりもちぎれやすくなっているため、注意しながら葉の付け根からしっかりと取り除きます。
葉を取り除いた後、芯に目立ったダメージがなく健康に見える場合は、そのまま風通しの良い場所に置いて様子を見ます。
この時に取り除いた場所に風を当てて内部を乾燥させることが重要です。
必要に応じて同じ根元周りの健康な葉も数枚取り除き、より風通しを良くすることも効果的です。
葉が密集していて取り除きにくい場合や、芯や根の状態が確認しづらい場合は、思い切って株を引き抜いて確認するとよいでしょう。
根も傷んでいることがあるため、傷んだ部分はできるだけ取り除き、数時間天日でしっかり乾燥させた後、新しい用土に植え直します。
ジュレが芯に到達している場合は、ジュレのない健康な部分まで芯ごとカットする必要があります。
健康な芯が十分に残せれば、切り口を乾燥させて植え直すことで復活する可能性もあります。
しかし経験上、ジュレが芯に到達した株が復活することはほぼないと考えたほうがよいでしょう。
落ちた葉を葉挿しに使うことで成功する場合もありますが、この方法でも成功率はあまり高くありません。
特に生長点付近まで黒くなっている場合は、もはや手の施しようがない状態です。
多肉植物がジュレる原因
ジュレの主な原因は雑菌やカビの繁殖です。
高温(25度~40度)、高湿度、空気の流れがない環境、そして栄養価の高いエサ(多肉植物の組織)が揃うと、雑菌やカビは活発に活動します。
逆にこれらの条件が一つでも欠けると、雑菌は十分に活動できないため、対策の基本は「雑菌やカビが好む環境を作らない」ことです。
ただし、雑菌が発端ではなく、別の原因で組織が死んだ後に雑菌が繁殖するケースもあります。
たとえば、葉焼け(直射日光による障害)、高温障害(温度が高すぎて細胞が死んだ場合)、低温障害(凍結によるダメージ)、あるいは栄養不足や水不足により植物の免疫力が低下した場合にも、ジュレのような症状が現れることがあります。
健康な多肉植物を蒸れから守る方法
多肉植物を蒸れから守るためには、いくつかの予防策が効果的です。
最も重要な対策は「風通しをよくする」ことです。
風は土を乾かし、植物周囲の湿度を下げるだけでなく、植物の呼吸を助ける役割も果たします。
風があると植物の呼吸が活発になり、土中の水をよく吸収するため土も早く乾きます。
また、植物内部の水分や栄養もよく循環し、植物自体がより健康になります。
植物には肺も心臓もありませんが、気孔を開いて風に水分を運んでもらい、毛細管現象によって根から葉に水を運ぶ仕組みがあります。
風通しを良くするための具体的な方法としては、サーキュレーターや扇風機を回す、植物同士の間隔を空ける(寄せ植えを避ける)などが挙げられます。
他にも夏の直射日光は多肉植物にとって危険であり、日差しを浴びると植物内部の温度が上昇してしまいます。
しかし極端な日陰は栄養不足となり免疫力が低下するため、朝から昼頃までの穏やかな日光に当てるか、遮光ネットで柔らかい光を確保するとよいでしょう。
水やりに関しては、夏は控えめにし、行うなら夕方に行い、朝には乾くくらいが理想的です。
多肉植物は気孔を開いて呼吸する(水を吸収する)のは主に夜間であるため、夜に適度な湿り気があることで健康的に水分を吸収できます。
ただし、土の中のカビは暖かく湿った環境で活発になるため、昼間は乾燥した状態を保つことが望ましいです。
水はけをよくするために、夏越し前の植え替えも効果的です。
多肉植物は2~3ヶ月程度水を与えなくても簡単には枯れないため、水やりに不安がある場合には、夏場の水やりを控えるという選択肢もあります。
また、安全策として「カット苗で夏を越す」方法も効果的です。
最も重要な予防策は「毎日チェックする」ことです。
ジュレは一見突然発生したように見えますが、実際には数日前から気づかないうちに進行していることが多いため、早期発見と早期対処が大切です。
梅雨時期の多肉植物の管理方法
梅雨時期の管理は多肉植物の健康維持にとても重要です。
雨を避けて軒下に置いた多肉植物がジュレるのは、空気が淀んでいることが原因である可能性があります。
一方、雨ざらしにしてもジュレない場合は、雨によって植物周囲と土の中の空気がよく動き、雑菌が洗い流されて清潔に保たれているためかもしれません。
ただし危険なのは雨が止んだ後であり、植物自体にも免疫システムがあるため、植物が健康であればカビや雑菌と戦う力も強くなります。
夏の多肉植物のお手入れ方法
夏を前にしたお手入れは多肉植物の生存率を大きく向上させます。
蒸れを防ぐための具体的な手順としては
- 伸びすぎた葉をカットする
- 徒長した茎を適切な長さにカットする
- 枯れ葉を取り除いて薬剤を散布する
という3ステップが効果的です。
セダムなどは根元から1センチ程度で葉が残るようにカットすると、枯れることなく新芽が育ちます。
上に成長する種類(虹の玉、乙女心、だるま秋麗など)は、葉を数枚残して根本部分で茎をカットします。
カットした位置から新芽が育ち、秋頃にちょうど良い大きさに成長します。
徒長したエケベリアも同様に葉を数枚残し、茎をカットします。
カットした先端部分の形を整えるように葉を取り、取った葉は葉挿しとして利用できます。
枯れ葉は放置するとカビの温床になるため、ピンセットで取り除くことが重要です。
全ての枯れ葉を取り除くのが難しい場合は、オルトランやベニカEXなどの薬剤を使用するとより効果的です。
これらのお手入れを適切に行うことで、多肉植物は高温多湿な夏の時期を健康に乗り越えることができるでしょう。
多肉植物の蒸れ対策まとめ
- ジュレは多肉植物の葉が雑菌に侵され組織が壊れる病気で、葉が黄色く変色し透明になる症状が特徴
- ジュレを発見したら、進行度に応じて患部を直ちに取り除き、風通しのよい場所で乾燥させる
- 蒸れの主な原因は雑菌やカビの繁殖で、高温多湿で空気の流れがない環境で活発になる
- 最も効果的な予防策は風通しを良くすることで、扇風機の活用や植物同士の間隔を空けるといった工夫が重要
- 夏の直射日光は危険だが、朝から昼頃までの穏やかな日光に当てるか遮光ネットを使用するのが理想的
- 水やりは夕方に行い朝には乾く程度に、また水はけを良くするために植え替えも効果的
- 毎日チェックして早期発見・早期対処を心がけ、伸びすぎた部分のカットや枯れ葉の除去といった定期的なお手入れが生存率を向上させる