
冬になるとサボテンの色が変わってきた、なんとなく白っぽくなってきた、あるいは半透明のような状態になってきたと気になった経験がある方は多いと思います。
サボテンは強くて育てやすい植物というイメージがある一方で、冬場の変色は実は複数の原因が絡み合っていることがほとんどです。
原因によって対処の仕方がまったく異なりますので、まずはしっかり状態を観察することが大切です。
寒さによるダメージ「寒害」
冬にサボテンが白っぽく変色する最も多い原因の一つが、低温による「寒害」です。
品種によって耐寒性には大きな差がありますが、多くの一般的なサボテンは気温が5℃を下回ると弱り始め、茎や表面が白く変色することがあります。
これは単なる見た目の問題ではなく、細胞レベルでダメージが起きているサインです。
寒さによる変色は「寒害」と呼ばれ、軽度であれば表面が白っぽく退色するだけですが、状態が進行すると灰色や黒に近い色に変わり、最終的に腐敗することもあります。
特に夜間の急激な冷え込みや霜にあたると細胞が壊れて壊死を起こすため、症状はさらに深刻になります。
ほとんどのサボテンは0℃以下の寒さに当たり続けて凍結してしまうと枯れます。
カチカチに凍結した後は、次第に水分が溢れ出るようにぐずぐずに黒ずんでいきます。
この状態まで進んでしまうと回復はほぼ難しくなります。
対処としては、屋外で管理しているサボテンは冬になる前に室内へ取り込むのが基本です。
どうしても屋外での管理が必要な場合は、不織布やビニールで覆って冷気を遮断したり、鉢をレンガなどで地面から浮かせて冷えを和らげるなどの対策をとるとよいでしょう。
室内に取り込んだ際は、日当たりのいい窓辺などに置いて日照をしっかり確保しましょう。
また、エアコンの風や加湿器の湿気が直接当たらないよう注意してください。
透明・半透明になる原因は「根腐れ」のサインかもしれない
サボテンが半透明っぽく見えたり、ぶよぶよと柔らかくなってきている場合は、根腐れが始まっているおそれがあります。
根腐れすると根元が茶色や黒っぽい色になり、胴をつまむとぶよぶよしています。
さらに根元から上に向かって傷みが進行していき、ぐらぐら動く状態になります。
根腐れはサボテン内部から傷みが進行するため外からでは分かりにくく、気が付くとかなり症状が進行している場合があります。
冬場にこの症状が出やすい理由は、休眠期にもかかわらず水やりを続けてしまうことにあります。
日本の冬はほとんどのサボテンが乾燥に耐えるために休眠する時期です。
この時期に水分を与えすぎると吸収されない水が土中に留まり続け、根が傷みやすくなります。
休眠期にあたる冬は土の中に水分が残っていると凍って株を弱らせてしまう恐れもあるので、3〜4週間に1度か断水してしまっても構いません。
根腐れが起きてしまった場合の対処には、腐敗が全体に及んでいる場合には回復は難しいですが、腐敗が一部だけであれば、その部分を切り落とすことで復活させることが可能です。
黒くなっていたり黄色くなっている部分がなくなるまでカットし、切断面を日光に当て30分程度乾燥させてから、風通しの良い日陰で水分がなくなるまでしっかり乾燥させます。
その後、水はけの良い新しい土に植え替えれば完了です。
白いふわふわ・粉状のものはカイガラムシやうどんこ病かもしれない
サボテン本体が変色しているのではなく、表面に白い綿状のものや粉っぽいものが付着している場合は、害虫や病気が原因である可能性が高いです。
コナカイガラムシと呼ばれる害虫は、白い綿状物に覆われ、葉に寄生すると白いものが付着したように見えます。
この虫はサボテンの汁液を吸って株を衰弱させ、さらに排泄物がすす病を引き起こすこともあります。
カイガラムシは完全な駆除が難しく、一度発生すると翌年も発生するといわれるほど手強く厄介な害虫です。
成虫はロウ質の被膜に覆われているため薬剤が効きにくく、冬に枝や幹についた虫は歯ブラシなどでこすり落とします。
また幼虫のふ化直後の時期に薬液を散布することが肝要で、虫が休眠する冬に植物の休眠期用の薬剤を幹や枝などに散布し、翌春からの発生を予防するのも有効です。
一方、表面に白い粉をまぶしたようなものが広がっている場合は、うどんこ病を疑ってみてください。
うどんこ病の正体は、風によって運ばれ植物の表面で寄生・増殖したカビの胞子です。
日当たりが悪く、水はけや通気性が低下した植物に寄生しやすいところも特徴です。
この病気は光合成を妨げてサボテン全体を弱らせていきます。
対処は薬剤を散布後、置き場所を変えて育成環境の改善を行いましょう。
また変色していない箇所や用土にもカビの胞子が残っている場合があるので、可能であれば新しい用土に植え替えた方が良いでしょう。
寒さのストレスで一時的に色が変わることもある
白や透明とは少し異なりますが、冬にサボテンが赤紫色に変色することがあります。
急激な寒さを感じるとストレスでサボテンが赤紫色に変色することがありますが、この場合は春には色が戻ることが多いです。
そのような症状自体はすぐに対処が必要なほど深刻な状態ではありませんが、サボテンが環境の変化に強いストレスを受けているサインであることには変わりません。
冬の管理で変色を防ぐために
変色が起きてしまってから対処するよりそもそも起きないように管理することが一番です。
冬場の水やりは最小限に抑え、室内では日当たりの良い南向きの窓際に置いて10℃以上をキープするのが理想です。
また風通しの悪い場所に長期間置かないことがカイガラムシやうどんこ病の予防にもつながります。
サボテンが白や透明のように見えてきたとき、焦ってすぐに水を与えたり肥料を追加したりするのは逆効果になることが多いです。
まず表面が乾いているか柔らかくなっているかを手で確認し、付着物があるかどうかをじっくり観察することから始めるのが、正しい対処への第一歩です。